カードローンの利用を検討している方の中には、利用した場合にどのくらいの利息が上乗せされるか気になっている方も多いと思います。利息は金利や借入額などで異なるため、正確な利息を知るには計算方法を事前に把握しておくことが大切です。
このコラムでは、カードローンの金利や利息、利息の計算方法、カードローン利用時の注意点、利息を減らすコツなどを解説します。カードローンの利息について知りたい方は是非ご参照ください。
この記事を読んでわかること
カードローンを利用した場合、各カードローンが設定する金利分、利息を足した金額を返済しなくてはなりません。利息は、設定される金利や借入額などによって異なります。返済期間を長く設定した場合は利息が大きくなるため、返済負担を少しでも抑えたい方は返済期間を短く設定しましょう。また、返済負担を抑えるにはカードローンを選ぶ際に、金利の設定がどのくらいなのか、利用時に手数料がかかるかなどを確認してから契約しましょう。

1.カードローンの金利や利息について

カードローンを利用する場合には、借入額に利息や手数料を上乗せした金額を返済しなくてはなりません。利息や手数料の金額を知らずに利用すると、返済計画に支障が生じて延滞に陥る可能性があるため、徴収される金額がいくらなのかを把握することが大切です。
カードローンを利用する際に徴収される金額についての理解を深めるには、金利と利息とは何かを知る必要があります。金利と利息について詳しく見ていきましょう。
1-1.カードローンの金利とは
カードローンの金利とは、借り入れた元金に対する利息の割合のことで、利率とも呼ばれています。元金に対する1年間の利息を年利と呼び、金融機関は基本的に金利を年利で表示しています。
カードローンによって金利は異なりますが、契約金額が大きいほど金利が低くなるのが基本です。
金利を低くするために、契約金額を大きくしたいと考える方も多いと思います。しかし、契約金額を大きくした場合、支払能力(収入や勤務先、勤続年数など)を確認する審査が厳しくなるので注意が必要です。
・カードローンの金利の上限は法律で決まっている
カードローンを提供する金融機関は利息制限法を遵守しなければなりません。利息制限法第1条には金利の上限が定められており、その範囲内であれば金融機関は自由に金利を設定できます。
利息制限法第1条に定める金利上限は、借入金額によって以下のように異なります。
- 10万円未満:年20%
- 10万円以上100万円未満:年18%
- 100万円以上:年15%
利息制限法第5条によると、同一の当事者間で複数の借り入れがある場合は、合計額に応じて金利を決定します。例えば、50万円の借り入れをしており、新たに80万円の借り入れをする場合は、最初の金利は18%ですが、追加後は借入額が100万円を超えるので15%に変更されるということです。
・カードローンでよく聞く「借入利率」とは?
カードローンの説明に目を通していると、借入利率という言葉を目にすることもあります。こちらは金利とほぼ同じ意味です。
借入利率とは、借り入れた元金に対する利息の割合のことを意味しています。
1-2.カードローンの利息とは
カードローンの利息とは、借り入れた元金に対して、契約者が金融機関に支払う金額です。
利息は借入金額、金利、借入期間の3つに基づいて計算されるため、一定ではありません。借入金額が大きい、金利が高い、借入期間が長いほど、利息が大きくなるので注意してください。
2.利息の計算方法(年利計算)は?

カードローンを利用する際には、借入額に利息を上乗せした金額を返済しますが、全員に同じ利息が上乗せされるわけではありません。
利息はさまざまな条件で変化するため、利息の計算方法を把握しておくことが大切です。計算方法を詳しく見ていきましょう。
2-1.利息は「借入金額」「金利」「利用日数」で計算できる
利息の計算式は以下のとおりです。
- 利息=元金×金利÷365日(うるう年は366日)×借入日数
例えば、年利20%で5万円を借りて10日間で返済した場合は「5万円×20%÷365日×10日=273円」の利息を上乗せして返済する必要があります。
元金(借入金額)が大きい、金利が高い、借入日数(借入期間)が長い場合は、上乗せされる利息が大きくなる点に注意が必要です。
2-2.利息をシミュレーションしてみよう
カードローンのトラブルを回避するには、さまざまな条件でシミュレーションを行って、返済契約に無理がないかを事前に確認しておくことが大切です。
今回のシミュレーションでは、借入金額は100万円で固定し、金利は3%・8%・14%の3パターン、1年は365日、返済期間は30日・90日・180日の3パターンとします。なお、利息の計算方法の便宜上、返済期間を迎えたタイミングでの一括返済を想定しました。
・年利3%で借り入れた場合の計算
年利3%の利息計算の結果は、以下のとおりです。
借入期間 | 利息 | 返済総額 |
30日 | 2,465円 | 100万2,465円 |
90日 | 7,397円 | 100万7,397円 |
180日 | 1万4,794円 | 101万4,794円 |
・年利8%で借り入れた場合の計算
年利8%の利息計算の結果は、以下のとおりです。
借入期間 | 利息 | 返済総額 |
30日 | 6,575円 | 100万6,575円 |
90日 | 1万9,726円 | 101万9,726円 |
180日 | 3万9,452円 | 103万9,452円 |
・年利14%で借り入れた場合の計算
年利14%の利息計算の結果は、以下のとおりです。
借入期間 | 利息 | 返済総額 |
30日 | 1万1,506円 | 101万1,506円 |
90日 | 3万4,520円 | 103万4,520円 |
180日 | 6万9,041円 | 106万9,041円 |
3.カードローンを利用する際に気をつけたいこと

カードローンは正しく利用すれば特に問題ありませんが、利用方法を誤るとトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意してください。
トラブルを未然に防ぐために、カードローンを利用する際に気をつけたいこととして、以下の5つが挙げられます。
- 返済額や返済期間を定期的に確認する
- 返済が遅れないように注意する
- 借入期間の起算日を確認する
- 表示されている金利が違法でないかどうか確認する
- 窓口に直接問い合わせることも大事
3-1.返済額や返済期間を定期的に確認する
カードローンを利用する際、返済額や返済期間を定期的に確認することが大切です。カードローンは限度額の範囲内であれば、借り入れと返済を繰り返しながら何度でも利用できます。
しかし、何度も借り入れを繰り返すと、借入総額が分からなくなってしまう方も少なくありません。借入残高によって毎月の返済額が変わるため、定期的に現状を確認しましょう。
3-2.返済が遅れないように注意する
カードローンの返済に遅れると遅延損害金が発生するため、返済が遅れないように注意が必要です。利息制限法に遅延損害金に関するルールが明記されており、20%を超える遅延損害金を定めることは禁止されています。
そのため、各カードローンは20%の範囲内で遅延損害金を設定していますが、遅延損害金は支払いが完了するまでの日数分上乗せされるので、遅延すればするほど負担が大きくなります。
また、滞納が長期化した場合、カードローンが利用できなくなる可能性もあるので、遅れないように注意しましょう。
3-3.借入期間の起算日を確認する
カードローンは借入期間が長いほど利息額が大きくなるため、返済負担を抑えるためにも借入期間の起算日を確認しておくことが大切です。
借入期間の起算日は、カードローン会社によって異なる場合があります。通常の起算日は借り入れた翌日から利息が発生しますが、無利息期間を設けているカードローン会社の場合には、無利息期間が経過するまで利息が発生しません。
また、無利息期間は契約日の翌日を起算日とするか、初回借り入れの翌日を起算日とするかといった違いもあるため、利息の計算を誤らないためにもしっかり確認しましょう。
3-4.表示されている金利が違法でないかどうか確認する
正規の貸金業者の場合は利息制限法を遵守していますが、正規の貸金業者でない場合は違法な金利を提示している恐れがあるので注意が必要です。
正規の貸金業者でない場合は法外な利息を請求される恐れがあるだけでなく、違法な取り立てに遭う可能性もあります。トラブルを回避するには正規の貸金業者であることを見極める必要があります。日本貸金業協会に加盟しているかどうかも正規の業者かを見分けるポイントになります。
3-5.窓口に直接問い合わせることも大事
理解が不充分なまま利用を開始した場合、想定外のトラブルに巻き込まれる恐れがあるため、不安や疑問がある方は窓口に直接問い合わせることも大切です。
不安や疑問を抱えたままでは安心して利用できません。利用前・利用中も気になることがある方は適宜問い合わせて不安や疑問を解消しましょう。
4.カードローンの利息を減らすためのコツ

カードローンの利息を少しでも減らしたい方は以下の5つのコツを押さえた上で利用すれば、利息を抑えられます。
- 金利が低いカードローン会社を選ぶ
- 余裕があれば繰り上げ返済する
- 無利息期間に返済を済ませる
- カードローンの借り換えを利用する
- 複数から借り入れている場合はまとめることもできる
4-1.金利が低いカードローン会社を選ぶ
各カードローン会社によって金利が異なるため、利息を抑えたい方は金利が低いカードローン会社を選ぶことが重要です。
一般的には消費者金融のカードローンと比べて銀行・クレジットカード会社のカードローンのほうが金利を低めに設定しています。
カードローン会社の提示する金利には幅があり、適用される金利は契約時でなければ分かりません。複数のカードローン会社を比較して、最も低い金利のカードローンを利用しましょう。
4-2.余裕があれば繰り上げ返済する
返済期間が短くなれば利息を抑えられるため、余裕がある方は繰り上げ返済しましょう。
カードローンの返済方法には、約定返済と繰り上げ返済の2種類があります。約定返済とは、事前に決められた金額の返済を行うこと、繰り上げ返済とは、約定返済とは別に追加で返済することです。カードローン会社によっては、繰り上げ返済をスポット返済や臨時返済と呼んでいます。
繰り上げ返済には、手数料がかかる場合があるので注意してください。また、無理な繰り上げ返済は家計に支障が生じるので、繰り上げ返済すべきかどうかしっかり考えてから行いましょう。
4-3.無利息期間に返済を済ませる
無利息期間内であれば利息が発生しないため、無利息期間に返済を済ませることも大切です。
無利息期間は必ず設けてあるわけではありません。しかし、無利息期間を設けているカードローンを利用した場合は、その期間内に返済が完了すれば利息が発生しないのでお得です。
無利息期間が設けられているカードローンか確認するほか、なるべく期間内に返済が完了する計画を立てましょう。
4-4.カードローンの借り換えを利用する
カードローンを借り換えることによって金利の優遇といった特典を受けられる金融機関もあるため、状況によってはカードローンを借り換えるのも選択肢の1つです。
しかし、借り換えも新規の申し込みと同様に審査があります。場合によっては借り換えのほうが審査基準が厳しい場合もあるため、必ず利用できるわけではないという点に注意が必要です。
4-5.複数から借り入れている場合はまとめることもできる
複数のカードローン会社から借り入れをしている場合、まとめることによって返済負担を軽減できる可能性があります。ローンの借り換えとは、契約中のローンを新しい借入先ローンに借り替えることを指し、「おまとめローン」は2社以上の借り入れをひとつにまとめる借り替えローンの一種となります。
返済先を1社にまとめることができれば、毎月の返済日をまとめられるので管理しやすい、借入額の増加によって適用される金利が低くなるので返済負担を軽減できる点がメリットです。
貸金業者の複数の借り入れ先を一本化する「おまとめローン」は、業法上の一定条件を満たすことで、総量規制の「例外借し付け」として、年収の3分の1を超えて利用できる場合もあります。一方、カードローンは限度額の範囲内で追加の借り入れができますが、返済専用の「おまとめローン」にまとめる場合には追加の借り入れができないので注意してください。
5.カードローンを選ぶときのポイント

カードローン会社を選ぶ際は、金利だけでなく以下の3つのポイントを押さえながら選びましょう。
- 審査や融資の早さ
- 申し込み方法
- 返済方法
5-1.審査や融資の早さ
カードローン会社によって審査や融資の速さに差があります。一般的に消費者金融のカードローンは銀行のカードローンよりも審査に通りやすいと言われており、即日融資にも対応しています。
そのため、今すぐにお金が必要な方、審査に通る可能性を高めたい方は消費者金融のカードローンがおすすめです。
ただし、混雑具合によっては即日融資を受けられない可能性があるため、早めに申し込みましょう。
5-2.申し込み方法
カードローンの主な申し込み方法は以下のとおりです。
- WEBサイト
- 窓口
- 無人契約機
- 電話
- 郵送
WEBサイトであれば手軽に申し込みができ、他人に知られにくく、窓口や無人契約機はその場でキャッシュカードを受け取れるといったように特徴が異なります。
選択できる申し込み方法は、カードローン会社によって異なるため、ご自身に合った方法を提供しているカードローン会社を選択しましょう。
5-3.返済方法
カードローンの主な返済方法は以下のとおりです。
- 口座引き落とし
- コンビニATM
- インターネットバンキング
返済方法が複数用意されているほうが、効率良く返済できるので便利です。また、返済方法によって手数料がかかるカードローン会社もあるため、手数料の有無も確認しましょう。
5-4.カードローンの利用には「かんたん安心カードローン」もチェック
カードローン選びにお悩みの方には、セゾンファンデックスの「かんたん安心カードローン」をおすすめします。
80歳まで申し込みできるだけでなく、申し込み当日の融資にも対応しています。老後の急な出費にも備えられるため、1枚は持っておきたいカードローンと言えるでしょう。
おわりに
カードローンを利用した場合は、借入金額、金利、借入期間に応じて返済額に利息が上乗せされます。利息の負担が大きいと、返済計画に支障が生じる恐れがあるので注意が必要です。
カードローンの利用によるトラブルを回避するためには、利息の計算方法を理解して、契約する前にシミュレーションを行っておきましょう。
金利が低いほど返済負担を抑えられますが、金利だけでカードローンを選ぶのはおすすめしません。無利息期間の有無、即日融資の可否などから総合的に選びましょう。