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保険についてもっと知ろう(その6) | なぜ保険を知る必要があるのか?

保険についてもっと知ろう(その4) | なぜ保険を知る必要があるのか?
岡部 達磨(ライフバランスプロデューサー)

監修者
岡部 達磨(ライフバランスプロデューサー)

いつ死んでも後悔しない、自分なりの幸せな人生をどうしたら構築できるか考え、学び、行動し、現在それを実現。月の半分以上はゴルフをしつつ、自分らしい理想の人生を手に入れたいと本気で思う人に寄り添うトータルコンサルタントとして活動中。これまでプロ野球選手、医師や経営者をメインに1,000件以上のコンサルティング実績。 2級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)

保険についてもっと知ろう(その1~3)」の3回分はお読みいただけましたでしょうか。保険にまつわる用語や書類についてご確認していただきましたが、そもそもなぜ保険について知る必要があると思いますか?ご自身の入っている保険を理解できていないと何がいけないのでしょう?どのような困り事が起こるのでしょう?このコラムでは保険を選ぶ前に知っておいていただきたい根本的な部分についての理解を深めていただけたらと思います。

1.そもそもなぜ保険を知る必要があるのか?

保険についてもっと知ろう(その1)」で「保険証券を見てみよう」とお伝えしましたが、実際にご覧になりましたでしょうか。ご覧になられた方は実際に確認してみてどうでしたか?どのくらいの内容を理解できたでしょうか?

現段階ではご自身の入っている保険の証券を見ても、なかなか理解できない方が多いのが現状だと思います。全く分かっていない状態を0%として、完璧に分かっている状態を100%としたとき、ご自身の状態を数値化したらどれくらいでしょうか?

このお話をさせていただくと、多くのみなさんは「20~30%くらいかな」とおっしゃいます。70~80%理解しているという方はごく稀です。しかし、私の経験上「70~80%理解しています」とおっしゃる方も、蓋を開けてみると実はよく理解していなかったというケースも多々あります。

ここでお伝えしておきたいことは「理解度が低いから悪い、理解度が高いから良い」という話では決してないということです。あくまで現状把握の為の問いかけですので、理解していなかった方も、現状が分かったのであれば、それは大きな一歩です。しかし、これからも理解できていない状態のままで良いのでしょうか?今から「ご自身の入っている保険の証券を理解できていないということがどういうことか」を、お伝えしていこうと思います。

2.その保険はどうやって選びましたか?

例えば、みなさんは今から車を購入しようとしています。その車は車種も分からない、色も分からない、乗車定員も分からない、燃費も分からない、用途も分からない、新車か中古車かも分からない状態です。このような車を「100万円です」といわれたときに、みなさんは購入するでしょうか?

2.その保険はどうやって選びましたか?

きっと購入しないと思います。では、「半額の50万円です」といわれたらどうでしょう?きっといくらといわれようと買わないと思います。なぜなら、この情報ではその車がご自身の求めているものにふさわしいかどうか、使えるのかどうか、分からないからです。通勤するための車を求めていたのに、2tトラックがきてしまったら困りますもんね。

では次に、色はみなさんの好みの色です。しかし、車種や乗車定員、燃費、用途、新車か中古車かは分かりません。このような車を同じように「100万円です」といわれました。さぁ、みなさんは購入しますか?よほど冒険心のある方でない限り、きっと購入はしないと思います。

しかしこれはおおよそ20~30%の情報のはずなのです。車の例え話で考えてみると20~30%の情報で何かを購入するということがどういうことなのか、理解していただきやすいと思います。

ではこれが保険となるとどうでしょう?不思議なことに保険となった途端、みなさんは20~30%という少ない情報だけでも、その保険を購入してしまうという現象が起こってしまうのです。

不思議なことに保険となった途端、みなさんは20~30%という少ない情報だけでも、その保険を購入してしまうという現象が起こってしまう

3.1世帯あたり月額平均金額は約3.09万円

では質問です。みなさんは保険に毎月いくら支払っていますか?生命保険文化センターの「2021年度生命保険に関する全国実態調査」によると、2021年度になんらかの生命保険(※民間の生命保険会社・かんぽ生命・共済等を含む)」に加入している世帯は全体の89.8%で、1世帯あたり月額平均金額は約3.09万円といわれています。

情報のよく分からない車には、たとえどんなに安い金額であったとしても支払いませんでしたよね。しかし保険には約3万円という額を平気で支払っているのです。それも毎月支払っています。年間平均にすると約37.1万円の支払いになります。

ここまででの話で「ハッ」と気付かれた方もいるのではないでしょうか。「2.その保険はどうやって選びましたか?」でお伝えした車の話でもそうですが、何百万円とする車を購入するためには、色々な下調べをし、他社比較をして、試乗をして、金額の交渉をしてから購入を決めると思います。

何百万円とする車を購入するためには、色々な下調べをし、他社比較をして、試乗をして、金額の交渉をしてから購入を決める

しかし保険はどうでしょう?

保険と同じように、先ほどの例にも挙げた100万円の車のローンを毎月3万円に設定してみましょう。この場合、毎月3万円×12か月で3年もあれば払い終えることができます。しかし生命保険となると、3年ではなく、20年、30年と長期にわたり支払い続けるというのが一般的です。そうなると、毎月3万円×12カ月×30年=1,080万円となり、最終的には車よりも高額な買い物になります。

保険について、みなさんはどのくらいの下調べをしたでしょうか。

そんな保険について、みなさんはどのくらいの下調べをしたでしょうか。補償内容は調べましたか?他社比較はしましたか?おそらく多くの方々がしていないと思います。それなのに毎月約3.09万円もの支払いをしているのです。この事実をみなさんはどう考えますか?

だからこそ私は「ご自身が毎月約3.09万円も支払って入っている保険がどのような内容のものなのか、きちんと知らなくて大丈夫ですか?」とお聞きしているのです。支払っているということは買っているということです。まずはご自身の買っている商品(保険)の事くらい、きちんと知るというところからスタートしていきましょう。

4.なぜ多くの人が保険のことを知らないのか?

しかし、ご自身に合った商品を買うためには、基本的なことを教えてくれる人がいないと分からないのが現状だと思います。その商品が車であればディーラーさん、物件であれば不動産会社といったところでしょうか。では保険はどうでしょう。

4.なぜ多くの人が保険のことを知らないのか?

日本ではこれまでお金の教育をされてこなかった背景があります。ましてや保険の教育なんてもっての外です。なので、みなさんが保険のことをよく知らないというような状態に陥るのも、仕方のない部分もあります。そのような状況の中で、上手く保険を選んだり、購入するということは、ほぼ不可能でしょう。

にも関わらず、前述にも記しましたが、2021年度になんらかの生命保険(※民間の生命保険会社・かんぽ生命・共済等を含む)」に加入している世帯は全体の89.8%にものぼっているのです。そしてこの89.8%のほとんどの人が保険について知らないのが現状でしょう。

では、保険の基本的なことを教えてくれるのは保険会社の人なのでしょうか?答えは「No」です。保険会社の方というのは、みなさんに保険を「教える」ことが仕事ではありません。みなさんに保険を「買ってもらう」ことが仕事です。極端な話をすると、みなさんに保険を買ってもらいさえすれば良いという考えの方も多くいます。悲しいことではありますが、それが業界です。

しかし、そのようなことをしても何もならないと私は思うのです。みなさんの大切なお金を支払い、購入している保険というものをきちんと知っていただきたいと思いますし、ご自身にとって必要な保険はどのようなものかを、きちんと考えて決めていけるような力をつけてもらえるようにするのが、私の仕事だと思っています。

なので、このコラムを通じて保険やお金に関する理解を深め、勉強し、是非ご自身の頭で考えて決めていけるようになっていただけると嬉しいです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?保険に限った話ではありませんが、何事も基本を理解できていないと応用編は理解できません。学問においても、スポーツにおいても、何事も基本を押さえることからスタートします。保険においても同じです。この基本が分かってくることで、色々なことが紐解いて見えてくるようになるのです。このコラムで保険の基本を一緒に学んでいきながら、まずは「ご自身の入っている保険くらいちゃんと自分で理解する」というところからスタートしていきましょう。

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