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投資信託で再投資を行うメリットが分かる!複利効果や再投資型の投資信託について解説

投資信託で再投資を行うメリットが分かる!複利効果や再投資型の投資信託について解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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再投資による「複利効果」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、なかなかイメージが湧きにくいでしょう。長期投資であれば、再投資による複利効果で大きな利益を手にできる可能性があります。しかし、再投資をご自身で行うのは手間がかかります。

そこで、おすすめしたいのが再投資型の投資信託です。再投資型の投資信託であれば運用が簡単なだけでなく、自動再投資で複利の効果も期待できます。

このコラムでは、再投資型の投資信託の仕組みや特徴について詳しく解説しています。利益を再投資して複利の効果を最大限活用したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事は、2023年以前のNISA制度について記載しています。新NISA制度については以下の記事をご確認ください。

投資信託の再投資の仕組み

投資信託の再投資の仕組み

投資信託とは、プロが投資家からお金を集め、そのお金を株式や債券などに投資・運用する投資商品のことです。投信やファンドとも呼ばれます。

投資信託の再投資とは?

投資信託の再投資とは、支払われたお金(運用益や分配金など)を、再度同じ投資信託に投資することを指します。再投資を行うことで、複利効果により資産の増加が期待できます。

再投資と分配金の関係

分配金とは、投資信託の運用会社が投資家に支払うお金のことで、投資信託の運用益(利益)などの分配原資から捻出されます。分配金は決算ごとに支払われますが、決算方法は投資信託によって異なります。

毎月決算がある投資信託もあれば、年1回や年2回などさまざまです。分配金の金額は運用状況によって変わるため、運用状況が悪ければ分配金が支払われないこともあるでしょう(毎月分配型の投資信託などを除く)。

このように、分配金を支払う投資信託を「分配型」と呼び、分配金を支払わず再投資に回す投資信託を「再投資型」と呼びます。

再投資することで得られる複利効果

再投資することで得られる複利効果

再投資で得られるメリットとして、複利効果が挙げられます。複利効果を知ることで、再投資型の投資信託の魅力が分かるでしょう。

再投資による複利効果とは?

投資信託で発生した運用益を再投資することで、複利効果が期待できます。複利とは、元本と利益の合計額にさらに利益が付く仕組みです。複利効果とは、複利により利益が利益を生み、雪だるま式に資産が大きくなっていく効果のことです。

複利効果を得るためには「元本を増やすこと」と「時間を味方にすること」が重要です。そのためには、資産運用の期間が長ければ長いほど、複利の効果を享受できるでしょう。

再投資による複利効果のイメージ

複利効果を得るためには、長期投資が有効です。そこで、複利が具体的にどのくらいになるのか、単利と複利を比較しながら実際に計算してみましょう。100万円の元本を年率5%で運用した場合を想定します。

なお、単利とは預け入れた投資元本に対してのみ利益が付く仕組みです。

0年1年5年10年20年30年
単利1,000,0001,050,0001,250,0001,500,0002,000,0002,500,000
複利1,000,0001,050,0001,276,2821,628,8952,653,2984,321,942
差額0026,282128,895653,2981,821,942
※手数料や税金等は考慮していません

スタートから最初の1年までは単利と複利の結果は変わらないものの、5年後、10年後と徐々に差が開いていき、30年後には約180万円もの差が開きます。このように、時間を味方に付けることにより、複利の効果で資産が増えていくことがお分かりになるでしょう。

参照元: 複利計算(元利合計) – 高精度計算サイト (casio.jp)

再投資型の投資信託とは?

再投資型の投資信託とは?

投資信託の種類は、主に定期的に分配金を受け取る「分配型(または受取型)」と、分配金を受け取らず再投資に回す「再投資型」があります。

再投資型の投資信託の特徴は、分配金に相当する金額を同じ投資信託の購入資金に充て、投資信託の口数を自動で増やすという仕組みです。この仕組みは自動で行われるため、面倒な手続きや操作は一切不要です。投資家にとって便利な仕組みといえるでしょう。

再投資を検討されている方や長期運用を検討されている方には、複利効果が期待できる再投資型の投資信託がおすすめです。

再投資型の投資信託のメリット・デメリット

再投資型の投資信託のメリット・デメリット

この項では、複利効果が期待できる再投資型の投資信託のメリットとデメリットを紹介します。

再投資型の投資信託の3つのメリット

再投資型の投資信託のメリットは主に以下の3つです。

自動で再投資を行ってくれる

再投資型の投資信託では、分配された購入資金の金額に応じて、投資信託の追加購入が行われます。投資信託がすべて自動で再投資してくれる仕組みは手間がかからず、大変効率的です。

相場の状況は常に変わり、それに伴って投資信託の価格も変動します。そのため、人が手動で購入する場合は「以前より基準価額が高いからもう少し待ってみよう」「相場がずっと下がっており買い時が分からない(買えない)」といった状況になりがちです。

しかし、再投資型の投資信託では、自分の意思に関係なく自動的に購入してくれるので、買いそびれる心配がありません。このように長期的に決まった額を購入するドルコスト平均法を実践することで、長期的に平均購入価格を引き下げることができます。

投資信託の購入手数料がかからない

一般的には、投資信託を購入する際には手数料がかかります。例えば、分配型の投資信託の場合、分配金を用いて再投資する際には新たに購入手数料を払う必要があります。

しかし、再投資型の投資信託の場合、自動再投資で購入する投資信託については、基本的に手数料はかかりません。購入手数料がかからず元本に回せるため、投資効率が高まります。

分配型の投資信託でかかる購入手数料は、わずかな金額で大差がないと思われるかもしれません。そのわずかな金額が何十回、何百回と長期間にもわたると、その差は決して無視できません。再投資型の場合、この購入手数料がかからないという点もメリットといえるでしょう。

再投資型の投資信託の2つのデメリット

再投資型の投資信託のデメリットは主に以下の2つです。

投資をしている実感が湧きにくい

再投資型には分配金がないため、満期や解約、または売却するまで出金できません。そのため、投資の成果を受け取れず、投資をしている実感が湧きにくい点はデメリットと感じるかもしれません。

運用益を得られない場合がある

出金時に市況が落ち込んでいると、利益が出ない場合があります。購入時の投資信託の基準価額が、解約または売却時の基準価額を下回っていた場合は、運用益が得られないという結果にもなり得ます。

再投資型は、投資が順調な時は複利の効果により利益が出やすい一方で、市況が落ち込んでいる際に、解約や売却を行うと利益が出ないことがあるということも理解しておきましょう。

再投資と税金の関係

再投資と税金の関係

再投資型の投資信託の場合、再投資した資金に税金が課されるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。この項では、再投資型の投資信託と税金の関係について解説し、合わせて効果的な税金対策も紹介していきます。

再投資型でも課税される

再投資型の投資信託では投資家は分配金を受け取りませんが、実際は発生した利益分にはしっかりと課税されています。再投資型の投資信託では、投資信託の運営会社から投資家に対して分配金を支払うことはありません。しかし、制度上では一旦、投資信託が分配金を支払ったものとみなされます

そのため、再投資型の投資信託でも「本来は分配金として支払われるはずの再投資向けの資金」は課税対象になります。税引き後の資金で、金額に応じた投資信託が自動的に購入されるのです

配当所得にかかる所得税は合計で税率20.315%ですが、その内訳は15.315%の所得税および復興特別所得税と5%の住民税(地方税)です。

つみたてNISAやiDeCoなら非課税で再投資できる

前述のとおり、再投資型の投資信託は分配金が発生しませんが、再投資向けの資金に対して課税されます。しかし、つみたてNISAやiDeCoを利用すると、その税金を非課税にできるのです。

例えば、つみたてNISAでは投資信託から受け取る分配金や運用益が非課税になります。非課税投資の限度額は年間最大40万円で、非課税で保有できる期間は投資を開始した年から20年間です。

iDeCoもつみたてNISAと同様に、投資信託から受け取る分配金や運用益に課される税金が免除になります。また、iDeCoの場合は、さらに掛金の全額が所得控除の対象となり、受け取りの際にも税制優遇を受けられます。

つみたてNISA、iDeCoのどちらを活用するにしても、本来は課税されるべき20.315%の税金が非課税になるため、この節税効果は非常に大きいです。

再投資型の投資信託は、自動で再投資される資金に対しては購入手数料がかからないうえに、非課税となると複利効果はさらに高まります。

このように、節税対策に有効なつみたてNISAやiDeCoを利用しない手はないでしょう。まだ、利用されていない方は、前向きに検討してみましょう。

つみたてNISAやiDeCoについて詳しくお知りになりたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事:つみたてNISA(積立NISA)の仕組みとは?運用のメリットや失敗しないための対策も解説
関連記事:iDeCoの上手な始め方|メリットとデメリットについても解説!

投資信託の再投資について知っておきたい3つの知識

投資信託の再投資について知っておきたい3つの知識

この項では、投資信託の再投資について知っておきたい3つの知識をご紹介します。

分配金の再投資はいつ行われるか?

分配金に相当する資金の再投資は、一般的に決算日に行われます。投資信託では、分配金などに充てる資金の額は決算日に決まります。再投資型の投資信託でも同様です。

そして、その資金の額と個別の口数に応じて、再投資する資金を分配します。なお、決算日は年1回や年2回など、投資信託によって異なります。決算の時期も含めて、目論見書等をよく確認すると良いでしょう。

分配金を再投資する際の基準価額はいくらか?

再投資型の投資信託では、決算日に再投資が行われます。分配金の再投資で購入する投資信託の基準価額については、一般的に決算日の基準価額が適用されます。

再投資が行われたか確認する方法

決算日以降に、インターネットまたは郵送にて交付・確認ができます。インターネットによる電子交付の場合は、利用している投資信託のWEBサイトで確認可能です。なお、情報が反映されるのは決算日以降です。

確認方法は投資信託によって異なりますので、ご自身の投資信託の情報を確認するようにしましょう。最近は電子交付が一般的ですが、登録状況によっては郵送交付も可能です。

郵送交付は、ご登録されているご住所に郵送にて書面で届きます。なお、郵送交付のサービスは徐々に縮小される傾向にあり、場合によっては廃止になる可能性もあるでしょう。

おわりに

投資信託の再投資について、複利効果や再投資型の投資信託の特徴などについて解説しました。長期で運用を考えている方にとって再投資型の投資信託は、資産を増やすための強い味方になってくれるはずです。

特に、再投資を続けることで得られる複利の効果は、将来的に大きなものになります。より大きな複利を得るためのポイントは、元本の増大と長期投資です。

元本を増やすためには、コストを下げることも重要です。再投資型では、購入手数料の免除、iDeCoやつみたてNISAも有効活用すると良いでしょう。

そのためには、まずは投資をしないと始まりません。毎日100円から始められる投資もありますので、つみたてNISAやiDeCoも活用しながら、まずは少額からでも投資を始めてみてはいかがでしょうか。

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